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  第一回公判
 平成22年10月18日、川口簡易裁判所から郵便が送られてきました。いざ期日呼出状かと開いてみるとそれはこの裁判をさいたま地方裁判所に移す、という「決定書」でした。
 訴額10万円なんですけどね(笑)

移送決定書の写しはこちら
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 それから待つこと17日、ようやくさいたま地方裁判所から期日呼出状が届きました。
 初公判日時は12月10日。
 ようやく長妻と直接対決出来るというわけです。

期日呼出状の写しはこちら
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  初公判…の前日に?

 初公判を前夜に控えた2010年12月9日夜、法律事務所を称する差出人からのゆうパックが私の自宅に送りつけられた。
 不審に思い、あえて封は明けず。

  初公判当日

 2010年12月10日、午前10時40分。さいたま地方裁判所、第504号法廷にて初公判が始まりました。被告側代理人として出廷してきたのは弁護士1人。吉峰総合法律事務所の大河原啓充弁護士。
 しかしいきなりトラブル発生。被告側弁護士は裁判所に提出すべき答弁書を「1通しか」用意していないという。
 大河原啓充弁護士曰く、答弁書を原告のところへ(裁判所を経由せずに)直接送ったという。
 これに対し私は未開封のゆうパックを示しながら『昨日の夜、何か不明な書類が届いたのですが、長妻昭と書いてあれば別ですが、どこの誰なのか不明なので、万が一、紙バクダンであってはいけないので、封を切らずにこのまま持ってきました。』と答えた。
 被告側代理人のこの行為に対し、裁判長は『今後は原告に直接郵送ではなく、裁判所に提出しなさい。裁判所より原告に郵送します』と警告を与えた。
 ここで初めてゆうパックを開封。中身は答弁書(ただし裁判所書記官の受付印無し)であった。

答弁書の写しはこちら(受付印なし)

  答弁書の内容


平成22年(ワ)第3302号 損害賠償等請求事件   直送済

原告 加藤 忠孝
被告 長妻  昭

答弁書

平成22年12月8日

さいたま地方裁判所第4民事部1係 御中

〒102−0074
東京都千代田区九段南3−9−11
マートルコート麹町204号
吉峯総合法律事務所(送達場所)
被告訴訟代理人弁護士 吉峯 啓晴
同 吉峯 康博
同 室伏 美佳
同 高橋 拓也
同 大井 倫太郎
同 大河原 啓充
同 中村 栄治
同 朴  鐘賢
同 小暮 典子
同 田口 真衣
電 話 03−5275−6676
FAX 03−5275−6678



第1 請求の趣旨に対する答弁

1 原告の請求を棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

3 仮執行免脱宣言



第2 請求原因に対する認否・反論
1 請求原因1記載の事実のうち,被告が民主党所属の衆議院議員である点は認め,その余は不知。

2 同2記載の事実のうち,平成21年8月30日施行の第45回衆議院議員選挙に際し,民主党が「年金記録被害者への迅速な補償のため,一定の基準の下で『一括補償』を実施する」を選挙公約の一つに掲げていた点は認め,その余は不知。

3 同3記載の事実は認める。

4 同4記載の事実は不知。

5 同5記載の事実のうち,被告の野党時代の別名及び被告の国会追及によって消えた年金問題が社会でクローズアップされた点は認め,その余は不知。

6 同6記載の事実のうち、被告の初登庁時の訓示内容は認め,その余は不知。なお,被告が厚生労働大臣に就任したのは,平成21年9月16日である。

7 同7記載の事実のうち,「原告は被告に対して」から「硬く確信していたが,」まで不知,「浦和年金事務所において,職員一同が原告の年金記録回復のため最大限の努力をした」点は認め,「現在まで原告の年金記録が何ら回復されることはなかった」とする点は不知,被告が民主党の選挙公約を何ら実行せず,厚生労働大臣として職務怠慢があったとの点は否認。

8 同8記載の事実のうち,原告の厚生年金記録が回復されなかったとする点は不知,その余は否認。

9 同9ないし12は争う。



第3 被告の主張

1 はじめに
 原告の年金記録の一部が今もなお回復されないままになっていると主張されている点につき,被告は現時点でその真偽を確認し得る立場にないが,それが事実であるとすれば,非常に残念なことであり,被告としても同情を禁じ得ないし,今後,速やかに原告の年金記録が回復されることを願ってやまない。
但し,後述するとおり,被告としては,厚生労働大臣として勤めた平成21年9月16日から平成22年9月17日までの間,年金記録問題をはじめとする様々な諸問題に精力的に取り組み,数多くの成果を挙げてきたのであって,「職務怠慢」等の批判は当たらないと考えている。

2 「債務不存在」ないし「不法行為」の不存在
国会議員は,公約を掲げ,選挙区の選挙民の支持を得て選出される者であるから,当選後,公約を実現できなかった場合等には,選挙民らから道義的な非難を浴び,あるいは,政治的批判を受ける場合があることは否定し得ない。
しかし,憲法43条1項は,「両議員は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」定めるところ,「全国民の代表」とは,国会議員はいかなる選挙方法で選ばれた者であっても,すべて等しく全国民の代表であり,特定の選挙人・党派・階級・団体等の代表者ではないこと(近代的な意味における国民代表),また,国会議員は選挙区の選挙民の具体的・個別的な指図に対して法的に拘束されず,自由独立に行動し得ること(自由委任)を意味するものとされている。
したがって,選挙公約(マニフェスト)は,一種の政策宣言であって,選挙人と候補者間の合意や契約ではないから,候補者と選挙人間に,公約を内容を同じくする法律関係(権利義務関係)が生じていることにはならず,仮に,選挙公約の不履行があったとしても(被告は「民主党の選挙公約の不履行」については争うものではあるが),債務不履行等の法的責任が生じることはあり得ない(東京高判昭和47年6月9日判タ285−306,宮崎地判平成11年9月20日判時1712−164,名古屋地判平成12年8月7日判時1736−106)。
また,後述するとおり,被告は何ら「不法行為」を行っていないばかりか,仮に原告の年金記録の一部が未だ回復されていないとすれば,それは,原告自身も自認しているとおり,「旧社会保険庁による杜撰な年金記録の管理」によるものであって,被告とは全く無関係な事情に基づくものであるから,不法行為が成立しないこともまた明白である。

3 被告が厚生労働大臣就任中に年金記録等の回復に尽力したこと
(1)被告は、平成18年以来、年金記録問題に取り組んできた。
 平成18年当時の社会保険庁は、年金記録問題の実態解明を求める被告の要求に対し、当初は「稀に特殊事例で年金記録が消えている方がいる。」などの回答に終始していたが、その後、被告をはじめとする民主党所属国会議員等の再三の追求により、5095万件の未統合の年金記録が明るみに出たのは周知の通りである。
(2)また被告は、平成21年9月16日に厚生労働大臣就任後も年金記録回復に尽力してきた。
 被告が在任中に実現した諸政策の一部を挙げれば以下のとおりである。
ア 年金記録回復委員会の設置と開催
 国民が年金記録を回復し、正しい記録に基づく公的年金を受給できるようにするための方策及び関連する事項について、国民の視点から検討し、厚生労働大臣及び社会保険庁長官に助言するため、平成21年10月16日、有識者から構成される年金記録回復委員会を設置した。
 この年金記録回復委員会は、平成21年10月16日の第1回開催以来、被告が厚生労働大臣を退任するまで16回もの会合を重ね、年金記録回復に関する諸政策を議論し、それにより相当数の制作が実現した(乙1の1ないし1の16)。なお、同委員会は現在も継続して活動中である。

イ 年金記録問題への対応の実施計画(工程表)の策定
 平成22年3月26日、平成22年度から平成25年度までの4年間における年金記録問題への取り組みをまとめた年金記録問題への対応の実施計画(工程表)を策定した(乙2の1,乙2の2)。

ウ 年金記録統合への新たな基準の策定
 平成22年5月26日、年金記録回復迅速化のため、年金記録回復第三者委員会に送付することなく、年金事務所段階で年金記録を回復するための基準を追加し、年金記録回復の迅速化を実現した。
 厚生年金については、改ざんの疑いがある場合に、6ヶ月以上さかのぼって標準報酬月額が大きく引き下げられている記録が事実に反していると疑われるなどの条件を満たす場合について、年金事務所の調査で記録回復ができるようにした。
 また、脱退手当金の場合に、昭和49年まで発行されていた厚生年金の被保険者証に、脱退手当金を支給した表示がないなどの条件を満たす場合、及び、脱退手当金の支給日より前にその計算基礎にされていない厚生年金の期間があるなどの条件を満たす場合を年金事務所の調査で記録回復ができるようにした。
 国民年金については、納付記録が抜けている期間が2年以下であって、その他の期間は納付済みであるなどの条件を満たす場合について、年金事務所の調査で記録回復ができるようにした(乙3)。

エ 年金を受給できる可能性のある未受給者への対策
 オンライン記録上、25年の受給資格期間を満たさない63歳以上の国民(約50万人)に対して、平成21年12月に「年金の加入期間に関するお知らせ」を送付し、合算対象期間等の受給資格期間として算定される期間の有無について、注意喚起を実施する任意加入制度について周知を行った(乙2の1の5頁)。

オ 国民年金特殊台帳とコンピュータ記録の突き合わせ
 国民年金の被保険者台帳のうち、特例納付の記録、前納の記録、年度内の一部の期間のみ未納・免除となっている記録等の特殊な納付記録を記載した国民年金特殊台帳(3096万件)について、コンピュータ記録との突き合わせを実施し、そのうち14.3万件についてお知らせを送付した(乙4)。

カ 紙台帳とコンピュータ記録との突き合わせ
 全国に存在する紙台帳を日本年金機構のコンピュータ上にあるデータと突き合わせ、年金記録を一致させる作業について、平成25年度までの4年間で全件の照合を目指して照合の準備を進めた。
 また、全国に存在する紙台帳を日本年金機構のコンピュータでデータ化し、年金事務所の窓口でコンピュータ画面を見ながら、年金相談を実施する体制の整備を進め、年金記録統合の迅速化を促進するシステムの整備に道筋をつけた(乙4)。

キ 「ねんきんネット」構築の推進
 インターネットで国民の皆様がいつでも新しい年金記録(年金の加入記録、未加入期間、未納期間など)を自身で確認できるシステムの導入を推進した。同システムは平成23年春にサービス開始が予定されている(乙5)。

ク その他の取り組み
 上記のほか、各種通知の見直し、事務処理誤りの公表、紙台帳等とコンピュータデータとの突き合わせに関するサンプル調査の実施と公表、記録統合事例の調査の実施と公表、年金記録問題に関する社会保険庁職員に対するアンケート調査の実施と公表、年金記録確認作業を進めるための「私の履歴整理表」の推進などに取り組む等、1人でも多くの国民の年金記録が回復できるよう様々な施策を実施してきた。

(3)。以上が、被告の厚生労働大臣在任中における、年金記録問題に関する取り組みの一部である。
 厚生労働省によれば、年金記録につていては、平成18年6月時点で5095万件判明していた未統合記録のうち、平成22年9月時点では1504万件(1197万人)の記録回復を果たし、生涯額の年金額としては、約1.3兆円の年金が増加したとされている(乙6)。
 このように、被告は、厚生労働大臣在任中も年金記録問題に真摯に取り組み、年金記録回復の実現に向けた諸政策を実現させ、現に数多くの国民の年金記録を回復させてきたのであって、「職務怠慢」等の批判は当たらないと考える。

4 結語
 以上の通り、被告は、野党時代はもちろんのこと、厚生労働大臣就任中においても、年金記録問題に真摯に取り組み、年金記録回復の実現に向けた諸政策を実現させ、現に数多くの国民の年金記録を回復させてきたのであり、「職務怠慢」等を理由とする本請求に理由がないことは明白である。
 なお、被告としては、未だ回復されていないとされる原告の年金記録の一部が一日も早く回復されることを心から祈念している。

以上

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