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  第二回公判

 第2回公判の予定日は平成23年1月21日です。
 私は公判に向けて準備書面を作成、1月17日に裁判所へ提出しました。

準備書面の写しはこちら
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  準備書面1 全文

平成22年(ワ)第3302号 損害賠償等請求事件

原 告 加藤 忠孝
被 告 長妻  昭

準備書面 1

平成23年1月17日

さいたま地方裁判所第4民事部1係 御中

原 告 加藤 忠孝

原告は下記のとおり陳述する。

第1 原告・被告の相違点について

1 原告の主張する事実関係について、被告が不知とする原告自身の年金記録以外は概ね争いがない。

2 原告は被告が答弁書で主張する「第3 被告の主張」の「2項「債務不履行」ないし「不法行為」の不存在」および「3項被告が厚生労働大臣就任中に年金記録の回復等に尽力したこと」を主たる争点として反論する。

第2 「「債務不履行」ないし「不法行為」の不存在」に対する反論

1 被告は「2項「債務不履行」ないし「不法行為」の不存在」において、国会議員は如何に立派な公約を掲げ、それが実現できなかったとしても、選挙公約は政策宣言であるから、選挙民との間に法律関係(権利義務関係)は発生しないから、債務不履行または不法行為の法的責任は生じないと主張し、過去の裁判例を挙げている。

2 前項について、原告は第45回衆議院議員選挙より前の国会選挙において、国会議員に選挙公約の不履行について、法的責任が生じないことは認める。

3 しかしながら第45回衆議院議員選挙において、選挙運動期間等にこれまでの「国会議員には選挙公約の不履行について法的責任が生じない」との法的根拠の援用を訴外民主党や被告は自ら放棄して、「選挙公約は国民との契約である」と明言した。原告の知る限り、憲政史上これまで、「選挙公約」を「国民との契約」であると明言した国会議員候補者の存在を確認したことが無い。

4 被告が「国会議員には選挙公約の不履行について法的責任が生じない」ことを知りながら、「選挙公約は国民との契約である」と明言したことは、被告が「国会議員には選挙公約の不履行について法的責任が生じない」ことの援用を放棄し、被告自ら特約として「選挙公約は国民との契約である」と、「契約」という新しい「文言」を用いて被告自ら法的拘束力を持たせたものである。

5 選挙民が国会議員候補者から「選挙公約は国民との契約である」であるとこれまで誰も主張したことが無い「契約」という「文言」を吹聴されれば、誰しも(原告も)「契約」という法的拘束力をもった「選挙公約は国民との契約である」と判断しても、その判断に民法上の瑕疵は生じない。

6 従って訴外民主党や被告は、「選挙公約は国民との契約である」と公に主張し、これまでの「国会議員には選挙公約の不履行について法的責任が生じない」との法的根拠の援用を放棄したのだから、被告が一度放棄した法的根拠を引用することは失当である。

7 これまでの国会議員候補者は「選挙公約は国民との約束である」と公言した者は存在したが、「選挙公約は国民との契約である」と公言したのは訴外民主党や被告が初めてであり、「契約」という「文言」を選挙民たる原告が聞けば、それは法的拘束力を持った「選挙公約は国民との契約である」と判断するのは当然である。

8 原告は訴外民主党や被告から「選挙公約」という「契約」を申し込まれたので、訴状のとおりに投票した。これは民法第521条の承諾期間(本件では投票日が最終期限)を定めた「選挙公約」という契約の申込であり、投票日に被告が当選し、訴外民主党が政権交代を実現したことによって「選挙公約」の「契約」は有効に成立した。

9 また被告は厚生労働大臣に就任し、初登庁の訓示「(民主党のマニフェストを示して)国民と新しい政府との契約書、あるいは命令書と考えてもよい」と公言しており、これは「選挙公約は国民との契約である」ことを被告自ら追認したものである。

10  なお、行政である厚生労働大臣と立法である国会議員はそれぞれ分立した権限を持っており、行政側の厚生労働大臣たる被告が、立法側の与党・民主党のマニフェストを訓示で用いること自体、それぞれ行政・立法の各組織が分立した権限を持っていることについて、全く理解していないことの証左である。政府(行政)と与党(立法)は全く違う組織であることを付言する。

11 被告が行政・立法の各組織が分立した権限を持っていることについて、全く理解してからといっても、被告が「(民主党のマニフェストを示して)国民と新しい政府との契約書、あるいは命令書と考えてもよい」と訓示したことは、訓示自体に誤りがあっても重大かつ明白な瑕疵が無い限り、厚生労働省および旧社会保険庁(現日本年金機構)の職員を拘束する。訓示に職員が異議を申し出れば、国家公務員法第96条の職務専念義務違反で処分されることになる。職員に拘束力がある以上、国民たる原告と被告に「選挙公約」を「契約条項」とした「契約」が成立し、被告が追認したことは明白である。そして被告は厚生労働大臣として「選挙公約」を「契約条項」とした「契約」が成立した「契約書」を職員に示して、これを「命令書」として訓示したのである。

12 被告は「年金記録の杜撰な管理は旧社会保険庁の責任であり、被告には無関係」と主張するが、被告は厚生労働省の外局であった旧社会保険庁が解体された時の最後の厚生労働大臣である。当時旧社会保険庁の最高トップに在職していた被告に全く責任が無いとの主張は失当である。被告が旧社会保険庁の行政の最高責任者として、「年金記録の杜撰な管理」について責任ある立場であることは明白であり、全く「過失は無い」、「責任が無い」との主張は被告の独自の見解である。また間借りなりにも厚生労働大臣として当時旧社会保険庁の最高トップに在職していた被告が、「年金記録の杜撰な管理は旧社会保険庁の責任であり、被告には無関係」との主張は、政治家としても倫理的に許される主張ではない。行政の最高トップとしての被告の道義的責任(厚生労働大臣としての道義的責任)は確実に存在しており、このような主張をすること自体、被告は政治家として失格であることを申し添える。

13 以上のことから、原告と被告との間に「選挙公約」を「契約条項」とした「契約」が成立している。「契約条項」について「契約」が履行されなかったのだから、被告の債務不履行および不法行為によって損害賠償等の責任を負うのは民法上明らかである。なお、被告の具体的な債務不履行および不法行為については次章で主張する。

第3 被告の具体的な債務不履行および不法行為について

1 被告が「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」との「選挙公約」を「契約条項」とした「契約」の基に、原告はその制度実施の履行を待ち望んでいたが、結果として何ら公約を実行せず、契約を履行されることがなかった。

2 制度実施が履行された上で、原告の年金記録が訂正されなかったならそれは原告の責任であるが、制度実施自体を実行しなかったのだから、その原因は被告の債務不履行(契約不履行)であるから、全ての責任は被告にある。

3 被告は厚生労働大臣に就任すると、大臣直属の年金記録回復委員会を立ち上げた。平成21年12月9日の第6回年金記録回復委員会(乙1の6)において、添付資料の「政務官メモ」について磯村委員長から検討結果の報告案の説明があった。この「政務官メモ」とはかつて訴外民主党等が参議院に提出した年金記録回復促進法案を基に新たな訂正基準案として提出されたもの(甲3)であるが、このような過去に審議した年金記録回復促進法被案を叩き台とした重要な新たな訂正基準を審議する年金記録回復委員会に被告自身が出席していない。

4 乙1の1〜16までの被告が厚生労働大臣在任中の年金記録回復委員会は16回開催されているが、被告が出席したのは12回、欠席が4回もある。被告からすれば「たった4回の欠席」と主張することも予想されるが、自ら立ち上げた直属の年金記録回復委員会で、1回でも欠席することは政治家として道義的にも許されず、4回も欠席したことは極めて厚生労働大臣として悪質な職務怠慢であり、重大な過失である。また自らこの委員会を立ち上げながら、委員会自体を軽視していたことの証左である。

5 第6回年金記録回復委員会に被告が出席し、「政務官メモ」を基に被告自ら国民に「契約」した政治主導を発揮して、「新年金記録回復促進法案」なるもの等を作成し、成案をまとめることは可能であった。しかし、被告が欠席したが故にこの機会が奪われ、結果として年金記録回復委員会において「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」との「選挙公約」の実現は水泡に消え去った。これは全て被告が委員会軽視の基、最初から「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」との「契約」すらも忘れ去り、委員会を欠席した極めて悪質な厚生労働大臣としての職務怠慢である。

6 被告が厚生労働大臣在任中に「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」ための年金記録回復促進法案等を国会に提出していれば、昨年参議院選挙前までは与党の賛成多数で可決は可能であった。また平成21年3月18日の参院予算委員会で当時の鳩山由紀夫首相は「(保険料を納付していない人への)過剰救済の懸念もあるが、救済すべき方の救済を優先することが政府がとるべき道だ。私どもが政権を担っている間に法案を出すべきだ」と述べており、首相が前向きに検討しているいるにも関らず、被告は自らが立ち上げた年金記録回復委員会を欠席するなど、「選挙公約」を最初から履行する意思を有しなかったことは何人にも判断できることである。

7 被告は平成22年8月23日(月)のテレビ朝日のスーパーモーニングにおいて、「4年間は紙台帳の照合作業に専念し、その後に不明な年金記録について救済方法を考える」と述べている。被告は「選挙公約」において、「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」という「契約条項」にて「契約」を成立しているにも関らず、それとは逆行する行動を公言し、債務不履行を明確に認めた。これこそ被告が大嘘つきであることの証左である。

8 以上のことから、被告が「選挙公約」という「契約条項」の債務不履行と被告の厚生労働大臣としての職務怠慢等(委員会欠席は被告個人の判断でもある)、年金記録回復促進法案提出を怠ったこと等、「選挙公約」を実現しなかった等による被告の過失による不法行為は明らかである。

9 その他、被告は年金記録について尽力したことを主張・立証しているが、「選挙公約」とは著しく乖離しており、到底「選挙公約」を履行したことにならないことは明白である。

10 よって原告の請求は被告の債務不履行と不法行為の事実を主張・立証しており、被告の主張は失当である。

11 原告は被告のこれ等の行為によって、訴状記載の損害を被っており、「選挙公約」が履行されればこのような損害は発生しなかった。「選挙公約」不履行の全ての責任は被告にある。

12  最後に被告は野党時代、当時の政府・与党に対して「選挙公約」が実現できない場合は「公約違反」として、関係者等に対して辞職等の厳しい要求を突きつけていた。しかし、被告が逆の立場になって「公約違反」したことについて、何らの責任の所在を示していない。原告は被告に対し、「選挙公約」を履行できなかった政治家としての道義的責任を取って直ちに衆議院議員を潔く辞職され、政治家と関係の無い第2の人生を送ることを切望する次第である。


  第二回公判

 2011年1月21日、午前10時30分。第2回公判が始まりました。被告側代理人は前回と同じく出廷してきたのは吉峰総合法律事務所の大河原啓充弁護士。
裁判長「原告より証拠説明書が提出されて甲1から甲4までありますが、被告は確認されましたね。甲2−1、2,3も分かりますね。次に原告より準備書面1が提出されましたが反論はありますか。」
被告代理人「ありません。答弁書だけで十分です。」
裁判長「原告から本日、被告の証人尋問が提出されましたが、応じられますか。」
被告代理人「いいえ、応じません。」
裁判長「分かりました。それでは本日をもって結審と致します。
 判決は3月25日 午後1時15分からです。原告は都合悪ければ出席しなくても良いのです。こちらから後日判決文を送ります。」

 このように、被告側の再反論はなく、あっさり結審。判決を待つばかりとなりました。

第2回公判関連資料は以下の通り。

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証拠説明書の写しはこちら
証人等目録の写しはこちら
書証等目録の写しはこちら
甲3号証拠の写しはこちら
甲4号証拠の写しはこちら
第二回口頭弁論調書の写しはこちら
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